2018
6
Jun

ブログ

淡く美しい、鳥の子色

「鳥の子色」

これは、平安時代からある日本の色の名です。

さて、何色を思い浮かべますか?。

鳥の子供…ひよこの色?。

 

実はこれは鳥、ニワトリの卵の殻の色。

肌色よりは薄い、黄色を指しています。

今のスーパーの卵売り場で売っている真っ白な卵は、白色レグホン。

これではありません。

昔は、写真にあるこの淡い黄色が、卵の殻の色。

 

英語では、この色はそのまま「egg shell」といいます。

日本の繊細な色彩感覚は、着物文化と共に育ち、言葉の表現にも美しく現れます。

 

鳥を由来とする話が前回から続いたので、鳥の美しい色をもう少し。

有名ですが、実物の鳥が見れなくなってきたものです。

朱鷺色(ときいろ)…女性の和服によく用いられた淡いピンク色。

翠色(みどりいろ)…カワセミの羽のような青い緑色。

 

どちらも、昔からその鳥の羽が装飾品として使われるほど美しい色です。

私は10年以上前、屋久島でカワセミを生まれて初めて見ましたが、遠目で見ても分かるぐらい美しい青が、川辺をスーッと横切っていきました。

それは、スケッチをしようとポイントを探していた瞬間。

思いもよらなかった青が、突然、飛び去ったのです。

感動のあまり、しばらく筆を握る気にはなれませんでした。

 

古来からの鳥の色をもう一つ。

「山鳩色」という、灰みの緑色があります。

山鳩とは、山に住む青鳩の説と、今でも街で見られるキジバトの説があり、青鳩の方が黄色味の強い緑色です。

 

この色は平安時代、天皇だけが着用できた「禁色」でした。

昔はもちろん今の化学染料などありませんので、全て草木染です。

今の草木染作家の方に聞いても、着物を染めるのに、最低三回は染めないと色がしっかり定着しないと言います。

刈り込んだ植物を煮だして染料にして、生地を染めて乾かして×最低三回です。

濃く染めるにはその分回数が増えるため手間が掛かり、そのため濃い色ほど禁色の位は高くなっていきます。

 

古来からのはっとする芸術的な美しさは、国が守ってきたからこそ続いているものも少なくありません。

政治と絡み、宗教と絡み、それでも芸術は今の現代の人を感動させる美しさがあります。

自然と人間の融合的な芸術を、後世にも伝えていければと思います。

 

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。