
日の落ちる時間。
この時間が苦手な方はいませんか?。
ある晴れた日の午後、
今まで白い光に包まれていた空気が徐々に黄色みを帯び、
日の光を斜めに感じ始めた頃、落ちてきた太陽はいつの間にか橙色。
金色の光が放たれた後、雲は真っ赤に染まり、
迎えに来た夜の青が紫を作り、灰色と混ざりながら漆黒へと落ち着いていく…。
この色彩の変化が、一、二時間で起こるのです。
今まで半日を白い光のもとで生活していたというのに。
正直、私には付いていけない時があります。
あまりにも色の変化が多すぎて、ハラハラします。
夕方という時間は、黄昏時、逢魔が時(大禍時)ともいい、よく小説や漫画の題材になりますね。
黄昏時…
夕方うす暗くなり「誰たそ、彼は」と人の顔の見分け難くなった時分(広辞苑)。
または、夕日の逆光で人が真っ黒な影に見え、誰か分からない状態の時分。
この視覚的にあやふやになる時間帯から、魑魅魍魎が出没し始めるとされています。
江戸時代の浮世絵などには、迫力満点の妖怪が数多く登場します。
鬼、天狗、河童、大蛇、蜘蛛、化け猫……
妖怪の浮世絵だけで立派な展覧会が開けます。
夕方は、人の身体に変化が起きる時間帯でもあるようです。
人は、日の光の下では交感神経が優位な状態であり、
日が暮れる頃には、副交感神経系が優位な状態へと移っていきます。
副交感神経は、体の疲れを回復させ、心をリラックスさせる自律神経。
夜は休む時間と決まっているのです。
夕方は、色々な変化が起きる時間帯ですね。
夕焼けは、美しく見えるときもあれば、恐ろしく、儚く感じたりするときもあります。
これは朝焼けとは違い、暗くなっていく過程が終わりを感じさせるからなのでしょう。
これからも、毎日違う夕方を味わっていきたいと思います。
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